2021.08.05
2021.08.05
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株式会社ルネイム

代表取締役 湯田 正和

今日から使えるBtoBマーケティングの競合調査フロー

今日から使えるBtoBマーケティングの競合調査フローメインビジュアル

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とは、敵の実力・現状と自分自身のことをしっかりと把握すれば勝つことができる、を意味する孫子の兵法にある格言で、耳にしたことがある方も多いと思います。戦乱の時代に生まれた格言ではありますが、現代のビジネスにおいても敵(競合)を知ることは非常に重要です。

競合調査を外部リサーチ会社やマーケティング支援会社へ依頼する企業も多いですが、社内で実施できるようになれば、定期的にマーケティングを見直したり自社が置かれている状況を都度把握できます。

そこで本記事では、BtoBマーケティングにおける競合調査を社内で実施する際の方法について解説しています。本格的な競合調査の経験がない方でも、今日から取り組める方法ですので、参考にしていただけますと幸いです。


下記のような課題を抱えていませんか?

  • マーケティングのオンライン化が進んでいない
  • BtoBマーケティングに精通するメンバーが社内にいない
  • アウトバウンド型のマーケティングから脱却したい
  • マーケティング部門を社内に作りたい

BtoBマーケティングの戦略立案から運用フェーズにおけるコンサルティングから運用実務まで、お客様が抱える本質的な課題解決へ向けてご支援しています。お気軽にご相談ください。

目次

  • ステップ1:顧客ヒアリング

  • ステップ2:営業ヒアリング

  • ステップ3:競合定義

  • ステップ4:競合サイトのトラフィックを確認

  • ステップ5:Webサイトを目視で確認

  • ステップ6:導入事例を確認

  • 競合調査に役立つツール

  • Ahrefs(エイチレフス)

  • SE Ranking(エスイーランキング)

  • Dockpit(ドックピット)

  • さいごに

ステップ1:顧客ヒアリング

競合調査のためだけに顧客ヒアリングを実施するわけではありませんが、自社の競合がどこになるかを改めて整理する際に有効です。というのも、自社が認識している競合と実際に顧客が比較検討していた企業が大きく異なるケースも往々にしてあります。

顧客ヒアリングでは、自社の競合候補を数社ピックアップすることが目的です。

既存顧客からの紹介のように、例外的に自社一択の場合を除き、ほとんどが競合他社と比較検討した上で自社を選んだ顧客が多いため、顧客に「比較した会社はどこでしたか?」とストレートに聞いてみてください。日頃からコミュニケーションがしっかりとれている顧客企業の担当者であればすんなり答えてくれます。10社ほどの既存顧客へヒアリングを実施しましょう。

ステップ2:営業ヒアリング

次に自社の営業担当者にヒアリングします。顧客ヒアリング同様、競合調査のためだけに実施するわけではありませんが、社内で最も顧客を知るのは商談している営業担当者のため、よく比較される企業を把握していることが多いです。

「比較されるサービスや企業はどこか」「どんな特徴を持つ企業と比較されるか」を中心にヒアリングします。

営業からのフィードバックが日常的に実施される組織であれば、これらの情報も定期的に仕入れることができますが、そうでない組織だとマーケティング部門から能動的に情報を仕入れにいかなければなりません。営業部門との連携も重要なフローの一つです。

営業担当者から聞いた競合と顧客ヒアリングの内容を比較して、共通する競合候補をピックアップしていきます。今までの経験上、顧客ヒアリング・営業ヒアリングで浮かび上がった企業の中で、2,3社は共通する回答を得られることが多いです。その2,3社は間違いなく自社の競合となり得る企業ですので、それらを含めて全部で5社ピックアップすれば競合候補は揃います。

なお、顧客ヒアリングや営業ヒアリングについては下記の記事でも言及しています。

ステップ3:競合定義

ステップ1,2で5社まで絞った競合について、下記事項を中心に社内の関与メンバーで精査してください。

  • 価格帯が近しい企業
  • 導入企業の業界が似ているもしくは同じ企業
  • 自社と限りなく近しい製品/サービスを有している企業
  • 検索エンジンやSNSでよく見かける企業
評価事項価格帯が近い導入企業の業界が似ている製品/サービスが近い検索エンジン・SNSで見る
該当企業A社、B社、D社A社、C社A社、C社、E社A社、C社、D社


上記のように各事項ごとに振り分け、共通事項が多い3社が自社の競合企業と考えられます。ステップ1で絞った5社全てを競合企業としても良いですが、この後の調査工数を考慮すると、最初は3社から始めた方が良いと思います。

ステップ4:競合サイトのトラフィックを確認

競合企業が定まったら早速、調査を開始します。まずは競合サイトのトラフィックを確認しましょう。これにより競合サイトが重視している検索キーワードや、どの程度のユーザーがサイトを訪問しているかが把握できます。

自社が重視している検索キーワードと同様の場合は、自社サイトと比較してSERPs(検索結果ページ)での存在感もあわせて確認してください。

なお、競合が複数サイトを運営していることもあるため、主に集客で活用しているサイトを中心に調査します。(製品/サービスサイト等)

ここでは主に下記の指標や項目を確認してください。

  • ユーザー数
  • PV(ページビュー)数
  • タイトルタグ
  • メタディスクリプション
  • 主なオーガニック流入キーワード
  • 主な検索広告流入キーワード


タイトルタグとメタディスクリプションは専用ツールがなくても目視で確認できます。Google Chromeでサイトを閲覧する場合、下記の方法で調査可能です。

  1. 該当ページを表示してGoogle Chromeメニューバーの『表示』をクリック
  2. 『開発/管理』の『ソースを表示』をクリック
  3. 表示されたソースコードの中から 『<title>該当ページのタイトルタグ </title』『<meta name=”description” content=”該当ページのメタディスクリプション”>』を確認


ユーザー数・PV数・主なオーガニック流入キーワード・主な検索広告流入キーワードの調査方法は、専用の有料ツールを活用するのが一般的です。

おすすめの競合調査ツールは後述しますが、調査対象サイトのURLを入力するだけで上記の調査が可能なため、定期的に競合調査を実施したい企業はもちろん、コンテンツマーケティングや検索広告等に取り組む企業であれば導入をおすすめします。

ステップ5:Webサイトを目視で確認

ステップ4で数値面の確認を一通り終えたら競合サイトを目視で確認し、コンテンツを調査します。特に下記事項について調査してください。

  • トップページのキャッチコピー
  • グローバルナビの項目
  • 製品/サービスの強み
  • 主要顧客企業
  • 導入社数
  • ブログセクションのコンテンツ内容
  • 製品/サービス価格
  • コンバージョンポイント


価格が掲載されていない、またはブログセクションがないサイトもありますので確認できる範囲で構いません。このタスクでは、競合の強み・顧客企業の傾向(業種や規模等)・他社が掲載していない独自コンテンツの有無・訴求メッセージ等を把握できますので、自社サイトの改善時やマーケティング戦略を見直す際に参考情報として役に立ちます。

ステップ6:導入事例を確認

競合サイトに掲載されている導入事例を確認し、「何故選ばれたのか?」「製品/サービスに対する評価」を調査してください。導入事例はBtoBの鉄板コンテンツのため、ほとんどのWebサイトに掲載されています。

導入事例には概要のみ掲載しているサイトと、顧客企業担当者へのインタビュー記事を掲載しているサイトがありますが、後者の方が競合の顧客の声を把握しやすいです。

例えば弊社が競合の導入事例を調査する際は、プロジェクトの進め方や実施事項等、マーケティング以外の情報も参考しています。

ステップ1〜6を経て、得た情報をエクセルやスプレッドシートに整理すれば完了です。整理した情報を精査して足りなければ再調査をして不足情報を追記してください。

競合調査に役立つツール

最後に、競合調査を実施する際に役立つツールを3つご紹介します。比較的有名なツールですので耳にしたことがあるかもしれませんが、私がこれまで使った経験があるツールの中で特におすすめできるものを集めました。

Ahrefs(エイチレフス)

Ahrefsは、世界で60万人が導入(2021年8月時点)しているSEO分析ツールです。有名なツールですので使用したことがある方も多いのではないでしょうか。主に、競合サイトのアクセス状況を調査する際に役立ちます。

Ahrefsの特徴は、世界最大級の被リンクデータ(2021年8月時点では14兆)を保有しており、リアルタイムで競合サイトの動向が把握できる点です。Ahrefsの機能で得られる情報の中で、競合調査に役立つものとしては下記の通りです。

  • 競合サイトの上位表示コンテンツ
  • SNSで話題になっているコンテンツ
  • 競合サイトの流入キーワード(オーガニック、広告共に)
  • 競合サイトの被リンク動向
  • キーワードの競合性
  • 自社サイトと競合サイトのキーワード難易度

※公式サイトを参考

競合サイトと比較した自社サイトの弱点や改善事項を簡単に見つけることができます。2021年8月時点では月額$99〜と導入費用も安価です。

SE Ranking(エスイーランキング)

SE Rankingは、被リンク調査やキーワード調査などを包括的に実施出来るSEOツールで、前述のAhrefs同様、検索エンジンからのサイト流入数を増やしたいと考えている企業にはおすすめです。

SE Rankingの特徴は、URLを入力するだけで競合サイトの動向を調査できたり、流入キーワードを広告費に換算できる点です。SE Rankingの機能で得られる情報の中で、競合調査に役立つものとしては下記の通りです。

  • 競合サイトのオーガニック、広告のトラフィック推移
  • 競合サイトの流入キーワード(オーガニック、広告共に)
  • 自社対策キーワードに対する競合コンテンツ
  • 競合サイトの被リンク動向
  • キーワードの競合性
  • キーワードの広告費換算コスト

※公式サイトを参考

他にも予め登録した競合サイトと自社サイトのトラフィック比較やリーチ出来ているキーワード数なども調査できます。月額4,00円〜導入可能です。(2021年8月時点)

Dockpit(ドックピット)

誰でもカンタンに3C(自社・競合・市場)分析が出来ると人気の国産ツールです。機能は限定されてしまいますが、一部無料で使えるため、各機能を試した上で有料プランへの切り替えをおすすめします。国産ツールということもあり、非常に使いやすいUI設計です。

Dockpitの特徴は、独自に保有する国内250万人の消費者パネルを元に知りたい情報を算出してくれる点です。Dockpitの機能で得られる情報の中で、競合調査に役立つものとしては下記の通りです。

  • サイト基本指標
  • ユーザー属性
  • 集客構造を可視化
  • 業界全体指標
  • 流入元のサイトがわかる
  • 業界シェア
  • 人気コンテンツ
  • ベンチマークサイトの発見
  • 併用しているサイト数の比率
  • 業界全体の集客構造を可視化
  • 広告別の集客効果
  • 流入キーワード

※公式サイトを参考

競合サイトのアクセス状況だけでなく、業界全体での動向をリアルタイムで調査出来るため、その後の具体的なアクションまで見据えた競合調査が可能です。

さいごに

経験がない方は、競合調査と聞くと壮大なリサーチをイメージされるかもしれませんが、実際は社内で実施できる場合がほとんどです。私自身、前職時代に外部支援会社へ競合調査を依頼した経験もありますが、顧客や社内メンバーの声を参考に自身でインターネットリサーチをした方が早く、必要情報を得ることができると考えています。

インターネットがない時代における競合調査を先人たちはどのように実施していたのかは興味がありますが、インターネットが普及した現代では誰でも取り組めます。本記事でお伝えした競合調査フローをまとめると下記の通りです。

  • ステップ1 顧客ヒアリング:顧客が検討時に比較した企業を把握
  • ステップ2 営業ヒアリング:商談時に比較される企業を把握
  • ステップ3 競合定義:収集した候補から競合を3社決める
  • ステップ4 トラフィック調査:競合サイトのトラフィックを確認
  • ステップ5 Webサイトチェック:競合サイトのコンテンツや各特徴を確認
  • ステップ6 導入事例確認:競合サイトに掲載されている導入事例の読み込み


ルネイムでは、競合を含むマーケティングリサーチや情報設計など、戦略フェーズを重視したマーケティング支援を行っています。BtoBマーケティングに関する相談会も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社ルネイム

代表取締役 湯田 正和

株式会社ルネイムの代表。BtoBマーケティング・コンテンツマーケティングが得意領域。
プロジェクトでは主にマーケティング戦略立案やリサーチ業務に従事。
R&B・Hip Hop好きでゴルフと福岡ソフトバンクホークスが生き甲斐。