株式会社ルネイム 代表取締役

湯田 正和

SEO-攻略思考からの脱却と今後の動向-

こんにちは、ルネイム代表の湯田@yuta_lunaimです。

デジタルマーケティングが多様化した現在も、SEO(Search Engine Optimization)は重要な施策であることに変わりはありません。スマホ(タブレット)が普及した昨今、SNSで情報収集を行う人は若い世代を中心に増加傾向ではありますが、それでも検索エンジンは情報探索行動のメインであり、企業がマーケティング活動を展開する上で軽視することは出来ないチャネルでしょう。

弊社はSEOコンサルティングを専門的に行なっている会社ではありませんが、オウンドメディアの支援をする中でSEOは常に考えていかなければならない状況にあります。しかし、私自身がSEOの在り方について疑問を持ち続けていた時期もあり、私なりに考えたことをこうしてまとめさせていただきました。

今回の考察で改めてSEOの重要性や支援会社である私たちのあるべき姿と向き合うことが出来たので、仕事で企業のSEOを支援している方やWEB担当者など、少しでも多くの方がご覧いただけますと幸いです。

SEO暗黒時代を経て攻略思考からの脱却

前述の通り、SEOは今でも重要な施策であることに変わりはありません。当然ながら同キーワードで1ページ目のサイトと5ページ目のサイトのアクセス数は全く異なるでしょう。アクセス数の増加は、問い合わせ数や資料請求数の増加へ影響するので、結果として商談数や受注数にも繋がります。

重要性の認知が高まったと同時に、SEOへ注力する企業や支援する立場であるSEOコンサルティング会社が増えましたが、以前のSEO業界はあまりにも無秩序だったように思えます。勿論、実力があって誠実に対応している素晴らしいSEOコンサルティング会社も数多く存在しますが、その一方でイメージを破壊するかの如く、知識に乏しい発注企業を欺くような会社も一定数存在していたことは否定出来ません。

検索エンジンの精度が低かった時代は、その抜け穴を利用して、自作自演リンク・対策キーワードの過度な使用・クリック数稼ぎなどの、俗に言う「ブラックハットSEO」と呼ばれる手法が横行していました。昔で言うテレビゲームの裏技や最近ではチートと呼ばれる行為に類似しており、正にSEOの暗黒時代と言えるでしょう。

そんな中、数年前から検索エンジンは本来あるべき姿に限りなく近づいてきているように思います。ユーザーを第一に考え、ユーザーが求めているサイトやコンテンツを判断出来るようになり、悪質なサイトやコンテンツにはペナルティーという鉄槌を下す。これが検索エンジンが出したSEOに対しての答えではないでしょうか。

検索エンジンへの攻略思考が根深い人は、ユーザー、つまり人ではなく、検索エンジンという無機質な存在ばかり意識していることでしょう。仮に一時的に上位表示が実現しても、ユーザーにとって価値の無いページが本質的に受け入れられるはずもなく、片時の栄華に酔いしれる程度が関の山です。そのような施策がビジネスに有効的であるかを語るまでもありません。

過去にブラックハットSEOを駆使して、関連キーワードを総なめにしていた企業も存在していましたが、今は検索順位も大きく下落し、問い合わせ数0がずっと続いて目も当てられない状況下にある話も耳にします。ユーザーを蔑ろにし、独りよがりの施策を続けた末路でしょう。

しかしながら、一度ペナルティーを受けたWEBサイトが、必ずしもその後の上位表示が不可能なわけではありません。いち早く過去の愚行を改めて攻略思考を脱却することで、再び上位表示が実現する可能性も十分にあります。

今後のSEOで追求するべきは、検索エンジンの攻略ではなく、価値ある検索体験をユーザーへ如何にして提供出来るのかを考えることでしょう。SEOは、ユーザーを思いやる行為そのものを指しており、これは昨今の検索順位を定める指標を見ても「常にユーザーにとってこうあるべき」という思想を明確にしていることからも汲み取れます。

今後のSEO動向

ここまではSEOの歴史について触れましたが、ここからは私たちが今後力を入れていくべきSEOの具体的な取り組みについてお伝えさせていただきます。

先述の通り、ユーザーに対しての思いやりがSEOであることに変わりはありません。しかし、その思いやりを形にする為には当然ながら技術的要件も伴います。WEBサイトという、ヒトが生み出した技術の結晶を扱う上で、まずは母体であるWEBサイトがユーザーの検索体験を阻害しない仕様である必要があります。

Google社は2020年5月に「Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)」なる検索順位に関する新しい指標を発表しています。ユーザーの利便性をさらに考慮した取り組みであり、WEBサイトを制作する上で、今後の水準とも言えるでしょう。Google社が公式に発表している具体的な指標は、以下の3つとされており、これらを総称してCore Web Vitals(コア ウェブ バイタル)と呼んでいます。

情報参照元:web.dev

Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)は、WEBサイトの表示速度とページレイアウトに関する取り組みですが、Google社はCore Web Vitals(コア ウェブ バイタル)を発表する前から同様の取り組みを実施しており、スピードアップデートもその1つと言えます。WEBサイトの表示速度改善方法については下記の記事で詳しく解説していますので、是非参考にしてください。

参考記事:WEBサイトの表示速度を上げる3つの主要方法と効果

Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)がアルゴリズムに組み込まれるのは2021年以降とされていますが、Google社が提供している「サーチコンソール」内で2020年8月時点でも以下のように確認することが可能です。常に自社の運営するサイトに関心を持ち、改善取り組みを実施することで良い数値継続することが出来るでしょう。

今後は技術の進歩と共にWEBサイトの在り方も変わり、その都度新たな指標が示されることが予想されます。今まで以上に技術的要件が求められることでしょう。全てはユーザーの検索体験をより豊かなものにする為、そして、明確な答えが存在しないSEOだからこそ、あらゆる措置を講じることが可能な技術を磨き続けなければなりません。

次にサイトの核であるコンテンツに焦点を当ててみましょう。

SEOやコンテンツマーケティング界隈では「良いコンテンツとは何か」「何を以てしてコンテンツの質を測れるのか」などの、終わりなき議論が以前から繰り広げられています。これが前述の技術的要件と異なり、明確な達成指標が無いコンテンツの難しさでもあります。

しかし、SEOがユーザーに対しての思いやりとするならば、コンテンツも例外ではありません。コンテンツの良し悪しを最終的に判断するのは著者ではなく、コンテンツを読んだユーザーです。そして、ユーザーが良いコンテンツと判断する指標の一つが心地良い読後感を得られるか否かでしょう。

読後感を辞書で調べると「本などを読み終わった後の感想」とありますが、私たちが思う読後感とは更に感覚的なものであるように思います。言うなれば、「印象」「雰囲気」に近しいものであり、様々な要素が掛け合わさって、ユーザーはそのコンテンツに対する読後感を上記のように無意識でジャッジします。そして、読後感の構成は、主に以下の要素が考えられます。

  • 読み易い文章である
  • 共感出来る
  • 適宜、図表を用いて理解し易い
  • 書き手の想いが伝わる
  • 新たな気付きが得られる
  • 適時適切なテーマを扱っている
  • 実践可能な解説が成されている…など


これらの集合体が心地良い読後感であり、ユーザーが検索行動を起こした意味を持たせるコンテンツでしょう。コンテンツの書き手は、この読後感を意識して執筆することが、良いコンテンツを書くための正攻法で、ユーザーに対する思いやりと言えます。

また、ユーザーの検索行動に意味を持たせられるかはコンテンツ次第です。意味のある検索行動がユーザーにとって実りある検索体験で、実りある検索体験を与えられるコンテンツが良いコンテンツではないでしょうか。

ユーザーが検索行動を起こすトリガーの発動要因を察知して、ユーザーの思考や感情に関心を持ち「どうすればユーザーの悩み解決を一助出来るか」「どうすればその想いに共感していることを伝えられるか」を常に考えてコンテンツへ反映させることが、人の心を動かすコンテンツを作るセオリーだと考えます。

E-A-T-Sの概念

人の心を動かすコンテンツであるためには、発信する情報の専門性や信頼性が必要不可欠です。Google社が検索品質評価ガイドライン内で明確に定めている「E-A-T」という概念があり、専門性・権威性・信頼性の3つを指しています。

参考:General Guidelines

E-A-Tについては様々なサイトで解説されていますので、敢えてこの場での詳しい解説は省略しますが、要約すると「餅は餅屋に聞け」という言葉があるように、コンテンツ内容と何ら関係の無いサイト運営者や著者が発信した情報よりも、コンテンツ内容と整合性の高いサイトや専門知見・資格を有するサイト運営者/著者が発信する情報は、外部評価を得やすくユーザーからも信頼されます。

しかし弊社では、E-A-Tに「Sociality(社会性)」を加えた「E-A-T-S(イーツ)」を提唱しており、SEOにおいて重要な要素だと考えています。社会性とは社会生活に関連する度合いを表し、発達心理学では社会性について以下のように考えられています。

  • 対人行動 – 他者を信用し認めることができること
  • 集団行動 – 集団の中で協調的に行動できること
  • 社会的欲求 – 仲間から好意を受けたいという欲求を持つことや仲間として認められたいという欲求を持つこと
  • 社会的関心 – 時代の情勢、風潮に感心を寄せること


検索エンジンが世界的なインフラとなった今、WEBサイトやコンテンツが与える影響は10年前とは比較出来ないほど大きくなりました。それが故に、社会や人々に貢献出来るWEBサイトやコンテンツが優遇されることは至極当然であり、社会性とは社会との繋がりそのもので、情報発信者が社会とどのように繋がっているのかを明確にすることで信頼へと繋がり、検索順位にも影響すると、私たちは考えています。

そして、社会的な専門性・社会的な権威性・社会的な信頼性と、E-A-Tは「Sociality(社会性)」が合って成り立つものでしょう。それでなければ、情報発信者が一方的にコンテンツを介して、E-A-Tをユーザーへ押し付けているだけと言えます。

弊社がオウンドメディアの運用支援をさせていただく際にも、伸び悩んでいたメディアで新たな取り組みとしてSNS運用や調査レポートを発表するなど社会との接点を増やして、WEBサイトやコンテンツだけでは見えない思考や運営者・情報発信者の想いなどを積極的に伝えることで、アクセス数が上がった事例も数多く存在します。

これらの事例から「社会との繋がり」を大きなキーワードとして意識しており、容易に他者と繋がれる今の時代だからこそ、価値ある繋がりを提供することが重要であると考えています。企業が運営するWEBサイトが評価されやすくなったことからも、オンラインだけではなく、日頃から社会と接点を持つ活動が大切であると検索エンジンが語っているように思います。

まとめ

この10年でSEOの考え方・在り方は大きく変わりました。正確に言えば、紆余曲折を繰り返して本来のあるべき姿に戻ったと言う方が正しいでしょう。検索エンジンへの攻略思考は、同時に検索エンジンを利用するユーザーを攻略するということですが、人の思考や感情は決して攻略出来るものではありません。

しかし、ユーザーの思考や感情に関心を持ち、良い情報を提供出来るように突き詰め続けることはWEBサイト運営者の使命であり、ユーザーに対しての終わりなき奉仕です。昨今のユーザーファースト概念を提唱し続けるGoogle社の姿勢を鑑みると、この奉仕こそがSEOそのものであると言っても過言ではないでしょう。

SEOコンサルティングサービスを提供している企業や自社サイトの検索順位に悩んでいるWEB担当者の方は、今一度SEOの在り方について自問自答していただき、ユーザーにとって価値あるWEBサイト・コンテンツを提供する為にどうすれば良いかを熟考してみてはいかがでしょうか。

これまで以上にユーザーの検索体験が価値あるものとなるように努める事こそが全てのWEBサイト運営者の義務であり、SEOで事業を成長することが出来る大きな要因であると、私は考えます。

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この記事を書いた人

株式会社ルネイム 代表取締役

湯田 正和

株式会社ルネイムの代表。BtoBマーケティング・コンテンツマーケティングが得意領域。
プロジェクトでは主にマーケティング戦略立案やリサーチ業務に従事。
R&B・Hip Hop好きでゴルフと福岡ソフトバンクホークスが生き甲斐。

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