2020.03.05
2021.05.12
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ルネイム編集部

【テンプレート付】Webサイトリニューアルで失敗しないRFP(提案依頼書)作成方法

【テンプレート付】Webサイトリニューアルで失敗しないRFP(提案依頼書)作成方法メインビジュアル

RFPとは『Request For Proposal』の略で提案依頼書を意味します。主にIT・Web業界で使われることが多く、システム開発・Webサイト制作・アプリ開発などを外部へ依頼する際、事前に要件をまとめて提案依頼先へ提出するドキュメントです。

芯食った提案をもらうためにもRFPを作成して、依頼先候補へ該当プロジェクトの意図を可能な限り伝えておきたい一方で、RFP作成経験が無く、どのように作成すれば良いか分からない方もいるかと思います。

そこで今回、RFPのテンプレート(エクセルファイル)を公開し、活用方法についてまとめました。各事項の記載方法について例を挙げながら解説していますので、是非お役立ていただけますと幸いです。

なお、RFPテンプレートは下記よりメールアドレスのみ(氏名・会社名・電話番号の入力なし)でダウンロード可能です。(エクセルファイル)

目次

  • RFPの役割

  • RFPの構成

  • 1.プロジェクト概要

  • 1.1 プロジェクト名

  • 1.2 対象サイトURL

  • 1.3 プロジェクトの目的

  • 1.4 現状課題

  • 1.5 プロジェクトのゴール

  • 1.6 サイト公開希望日

  • 1.7 予算

  • 2. 事業について

  • 2.1 事業内容

  • 2.2 サービス/製品の特徴・自社の強み

  • 2.3 ターゲット

  • 2.4 主要取引先

  • 2.5 競合企業

  • 3. 提案依頼内容

  • 4. 制作与件

  • 4.1 依頼範囲

  • 4.2 想定ページ数

  • 4.3 必要機能

  • 4.4 ドメイン・サーバー

  • 4.5 SSLの有無

  • 4.6 CMS

  • 4.7 提供素材の有無

  • 4.8 アクセス解析

  • 5. 法務事項

  • 5.1 契約について

  • 5.2 支払いについて

  • 6. 提出期限・提出方法

  • 6.1 提出期限

  • 6.2 提出方法

  • 6.3 フォーマット

  • さいごに

RFPの役割

まずはRFPの役割について改めて整理します。

冒頭でお伝えした通りRFPは、依頼先から芯食った良い提案をもらうために作成します。該当プロジェクトについて可能な限り詳細事項を伝え、見当違いの提案が返ってくる確率を下げることが目的です。

依頼先もRFPを受け取ることで、初回のヒアリング内容やプロジェクトの全体像が見え、良い提案内容を考案しやすいと考えています。一方で、RFPはあくまでも書面上の情報のため、RFP+対面 or オンラインでの打ち合わせを実施して、プロジェクトの輪郭を漏れなく依頼先へ伝えましょう。

また、プロジェクトによって依頼先が異なります。サイトリニューアルのみを依頼するのであればWeb制作会社で事足りますが、特に昨今はデジタルマーケティングの需要が高い背景もあり、Webサイト+マーケティング支援を希望する企業が多いように感じています。この場合は、①マーケティング支援会社②Web制作会社+マーケティング支援会社③マーケティング支援も得意なWeb制作会社、へ声をかけなければなりません。

RFPの構成

Webサイトリニューアル用のRFP作成経験がある方は、大まかな構成を把握していると思いますが、初めてだと何をどう書けば良いか分からない方が多いかと思います。しかし、構成さえ把握すれば事前に整理した情報を穴埋め的に記載するだけですので、そこまで難しい作業ではありません。

RFPの主な構成は下記の通りです。

  • プロジェクト概要
  • 事業について
  • 提案依頼内容
  • 制作与件
  • 法務事項
  • 提案期限/提出方法


これより一つずつ記載方法をお伝えします。

なお、より分かりやすくするため『製造業向け顧客管理クラウドツール〇〇〇〇の開発及び販売している株式会社RFPサンプルがWebサイトリニューアルする』という架空の設定でお伝えします。

1.プロジェクト概要

RFPのプロジェクト概要欄

1.1 プロジェクト名

プロジェクト名を記載します。例えばコーポレートサイトのリニューアルであれば『株式会社RFPサンプルコーポレートサイトリニューアル』など分かりやすいものにしましょう。

<例>
株式会社RFPサンプルコーポレートサイトリニューアルプロジェクト

1.2 対象サイトURL

現状サイトのURL(トップページの正規URLを推奨)を記載します。

<例>
https://www.〇〇〇〇.co.jp/

1.3 プロジェクトの目的

Webサイトリニューアルの具体的な目的を記載します。「集客に力を入れたい」「ブランディング」などは漠然として伝わらないため、下記のように具体的なアクションを記載しましょう。

<例>

  • 資料請求件数増加を図るため、Webサイト刷新によるコンテンツ拡充
  • ブログで情報発信して見込み顧客が常に最新情報に触れられるようにしたいため、CMS導入で運用を簡易化したい
  • 関連キーワードでの検索流入数を増やしたい

1.4 現状課題

現在のサイトで抱えている課題を記載します。ここでのポイントはサイト上の課題に加えて、プロジェクト目的に関連する事業上の課題も併せて記載すると尚良です。

例えば「現在新製品を開発中だが、現在のサイト内にはコンテンツがない」「今までは展示会やテレアポなどのアウトバウンド施策がメインだったが、今後は新しいWebサイトを起点にインバウンド施策に取り組んでいきたい。」などは分かりやすくて課題及びやりたいことが明確に記載されている良い例です。

<例>

  • 今後、オンラインマーケティングに力を入れたいが、サイトを立ち上げてから一度もリニューアルしていないため、デザインが古くコンテンツも充実していない
  • 現状ではサイトからの問い合わせ・資料請求がほとんどない→テレアポや紹介での案件化が殆ど
  • その他、現状サイトをご覧いただいて改善点等がございましたら是非、ご教示ください

1.5 プロジェクトのゴール

プロジェクト全体で達成したい成果目標を記載します。ここでは資料請求件数増加を主な目的としているため、事業のKGI(重要目標達成指標)達成のために必要な月間リード獲得数やリード獲得に必要な月間アクセス数などが分かりやすくておすすめです。

具体的な数値を提示することで、依頼先がマーケティングのビジョンをイメージしやすくなり、目標達成へ向けた最善のWebサイト案をもらえる可能性を高めることができます。

<例>

  • コーポレートサイトのフルリニューアル
  • 月間獲得リード数50件(リニューアル後のKPI)
  • 月間アクセス数〇〇PVもしくは〇〇ユーザー

1.6 サイト公開希望日

「出来る限り早く」や「◯月中」といった曖昧な表現は避けましょう。

また、あまりにもタイトなスケジュール提示も依頼先によっては提案不可な場合があります。Webサイト制作の場合はキックオフから3~4ヶ月程度が一般的な目安のため、考慮の上で希望納期を伝えてください。

<例>
◯◯◯◯年◯月◯日 10:00(あくまでも希望日のため、貴社方針に合わせます)

1.7 予算

予算もサイト公開希望日同様「なるべく安く」や「150万円~300万円」など大きく幅を持たせた記載は避けてください。

<例>
250〜300万円

2. 事業について

RFPの事業について欄

2.1 事業内容

事業内容を記載します。複数の事業がある場合、基本的には全事業を記載し、その中で主力事業について言及すると良いでしょう。

<例>
製造業向け顧客管理クラウドツール『〇〇〇〇』の開発及び販売

2.2 サービス/製品の特徴・自社の強み

自社のサービス/製品が、競合他社と比較して優れている点や既存顧客からの評価が高い点を整理して、できるだけ詳しく依頼先候補へ伝えてください。

<例>

  • 製造業向けの各種テンプレートを50以上搭載
  • 搭載機能を絞って運用難易度を下げている
  • 初めて使用する際でも分かりやすいUI設計の追求
  • 製造業出身者で構成したメンバーのため、業界特有の営業課題や各種前提要件を熟知
  • 導入支援から運用コンサルティングまで対応
  • ツールの開発は全て内製のため、競合よりも安価で提供可能

2.3 ターゲット

自社商材におけるメインターゲットを記載します。通常、キックオフ後に改めてターゲット設計を行いますが、現状のもので構いません。

<例>
日本国内で年商◯億円以上のBtoB製造業

2.4 主要取引先

主要取引先を記載すると、前述のターゲット像が分かりやすいです。公開可能な主要取引先を三社ほど記載しましょう。

<例>

  • 株式会社〇〇〇〇(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)
  • 〇〇〇〇株式会社(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)
  • 株式会社〇〇〇〇(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)

2.5 競合企業

提案時の参考情報として競合把握は重要です。自社の競合を2~3社程、主要取引先同様、会社名とURLを併せて記載してください。

<例>

  • 株式会社〇〇〇〇(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)
  • 〇〇〇〇株式会社(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)
  • 株式会社〇〇〇〇(URL:https://www.〇〇〇〇.co.jp/)

3. 提案依頼内容

RFPの提案依頼内容欄


依頼先によっては提出できるもの・そうでないものは異なりますが、RFPでは提案に際して希望の提出物を全て記載しておきましょう。

<例>

  • 提案書
  • プロジェクトスケジュール
  • 体制図
  • 見積書

4. 制作与件

RFPの制作与件欄

4.1 依頼範囲

Web制作の工程でどこまでやってもらいたいのかを明記します。依頼先が見積金額や納期算出における一つの指標となります。

<例>
サイト戦略・デザイン・コピー・コンテンツ・構築まで全て依頼希望

※戦略に関してはマーケティング要件もございますので協議しながら進めたいと考えております

4.2 想定ページ数

想定しているページ数・サイト構成を記載します。キックオフ後、依頼先の提案によって変更の可能性もありますが、大まかなサイトボリュームを伝えてください。

<例>
約15ページ(必要に応じて増減可のため提案希望)

  • トップページ
  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 企業理念
  • 自社の強み
  • 製品の特徴
  • 機能紹介
  • 料金プラン
  • 導入までの流れ
  • 事例紹介
  • 新着情報
  • ブログ
  • 問い合わせフォーム
  • 資料請求フォーム
  • プライバシーポリシー

4.3 必要機能

サイトの必要機能や要件を全て記載します。

<例>

  • 問い合わせフォーム
  • 資料請求フォーム
  • 新着情報用投稿ページ
  • ブログ用投稿ページ
  • MAツール『〇〇』とのAPI連携
  • SEO内部対策
  • CMS導入
  • SSL化
  • マルチデバイス対応
  • その他(提案希望)

4.4 ドメイン・サーバー

現在のドメイン・サーバー環境を記載します。

<例>
ドメイン:既存ドメイン(〇〇〇〇.co.jp)
サーバー:〇〇(レンタルサーバー)

4.5 SSLの有無

SSL証明書は取得済みなのか、新たに取得するのかを記載します。

<例>
有(別途共有)

4.6 CMS

CMS導入希望時は、その旨を記載します。

<例>
希望(WordPressもしくはその他国産CMS)

4.7 提供素材の有無

サイトに使用する画像・動画などのビジュアル素材提供の有無を記載します。

<例>
有(画像・動画素材は弊社にて撮影後、提供可能)

4.8 アクセス解析

運用フェーズにおけるアクセス解析用のタグ設置について記載します。設定方法が分からない場合は設定サポートの要望も併せて記載しましょう。

<例>
Googleアナリティクス、サーチコンソール

5. 法務事項

RFPの法務事項箇所

5.1 契約について

実際に依頼する場合にはどのような契約手順かを記載します。「業務委託契約」「秘密保持契約(NDA)」の締結が一般的です。

<例>
業務委託契約・秘密保持契約の締結

5.2 支払いについて

依頼する際の支払いフローについて希望があれば記載します。ただし、基本的には依頼先が指定する支払いフローとなりますので、よほど特別な事情がなければ省略して下さい。

<例>
貴社規定に準ずる

6. 提出期限・提出方法

RFPの提案方法欄

6.1 提出期限

提案の提出期限を記載します。一般的にはRFP提出から2週間前後が目安です。

<例>
◯◯◯◯年◯月◯日 17:00

6.2 提出方法

担当者の部署・電話番号・メールアドレス・提出方法など、提出窓口を記載します。

<例>
株式会社RFPサンプル
〇〇部〇〇課
担当者:〇〇 〇〇
電話:000-0000-0000
メール:〇〇@〇〇〇〇.co.jp

上記メールアドレスへご提出下さい。

6.3 フォーマット

希望する提出物のフォーマットを記載します。

<例>
全てPDFファイルを希望

さいごに

冒頭でお伝えしたように、良いWebサイトの制作はRFPを作成して良い提案をもらうところから始まります。また、RFP作成を通して、自社のサービス/製品・顧客・理念等について改めて考える機会となり、Webサイト以外の各種コンテンツやセールスメッセージ案などへも活かせるでしょう。本記事でご紹介した内容と下記よりダウンロードできるRFPテンプレートをお役立ていただけると嬉しい限りです。

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この記事を書いた人

ルネイム編集部

マーケティング担当者の方へ向けてマーケティングに関する様々なお役立ち情報を発信しています。