2021.01.29
2021.02.16
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ルネイム編集部

すぐに実践できるオウンドメディアのペルソナ作成方法

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ペルソナは現代のマーケティングには欠かせません。マーケティング戦略について語る書籍やコンテンツには必ずと言って良いほどペルソナ作成について記述されており、本記事テーマのオウンドメディアでのペルソナは『想定読者像』と定義します。

しかし、オウンドメディアと言ってもBtoBとBtoCでは目的や読者層が異なるため、ペルソナ作成のプロセスや構成する要素にも大きな違いがあります。それぞれの特性を踏まえてペルソナ作成を実践すべきです。

そこで本記事では、オウンドメディア戦略を立案する際のペルソナ作成方法とポイントなどを、BtoB・BtoCそれぞれの視点と併せてまとめています。ペルソナの作成方法が分からない方や作成したペルソナについて再精査したい方は是非、お役立てください。

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目次

  • ペルソナとは?

  • ペルソナが重要な理由

  • ペルソナの作成手順

  • ペルソナ構成要素の情報収集

  • ペルソナのアウトライン(骨子)作成

  • ペルソナ構成要素のストーリー展開

  • 完成したペルソナのフィードバック

  • BtoBオウンドメディアのペルソナ作成ポイント

  • BtoCオウンドメディアのペルソナ作成ポイント

  • ペルソナ作成の注意点

  • 理想像で作成しない

  • 作成したペルソナを定期的に見直す

  • さいごに

ペルソナとは?

ペルソナとは、自社のサービス/製品(商品)を購入する理想の顧客を仮想の人物像として描いたものです。オウンドメディアにおけるペルソナは前述の通り『想定読者像』として定義します。

ペルソナは、人口統計データなどの「デモグラフィック」と個人のライフスタイルや価値観などの「サイコグラフィック」を組み合わせて作成します。

主にコンテンツやアイデアの具体性を高めるために、ペルソナを活用します。しかし、ペルソナはあくまで「代表的なターゲット」であって、全てのターゲットと整合するわけではありません。事業ターゲットとしては作成したペルソナ以外も含まれますが、訴求力が高いコンテンツを企画立案するための手法として、ペルソナを用います。

ペルソナが重要な理由

オウンドメディアマーケティングの戦略立案時にペルソナを作成する一番の理由は、読者が求めている情報を把握してコンテンツへ反映するためです。オウンドメディアを運営する目的が何であったとしても“読者に役立つ情報が掲載されているか”で、成果が大きく変わってきます。

有益な情報が掲載されているメディアには人が集まりメディア運営の目的を果たしてくれる一方で、ユーザーが求めていない・役に立たない情報ばかり掲載していれば、当然ながら人は集まりません。ビジネスでメディア運営を行う際は、自社が発信したい情報ではなくユーザーが欲している情報が求められますので、ニーズの把握にもペルソナは有効です。

また、オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一環で活用しますが、以下の記事でも解説しているようにコンテンツマーケティングで成果が出るか否かの鍵を握るのはコンテンツ品質です。一貫した方向性でのコンテンツ制作が求められます。


明確な読者像を描くことで、主張の一貫性やコンテンツの構成がブレにくいため、結果的に読者にとって読みやすいコンテンツが生まれ、メディアのファンを獲得及び顧客化促進を図ることが出来ます。マーケティングの基本の「誰に・何を・どのように伝えるか」の軸となる「誰に」を定義してコンテンツを研ぎ澄ませるためにもペルソナは活用できます。

ペルソナの作成手順

ペルソナの作成フローは①情報収集②アウトライン作成③ストーリー展開④フィードバックの四段階で進めます。初めての方にも分かりやすいように作成例を交えて解説していますので、是非参考にしていただければと思います。

ペルソナ構成要素の情報収集

ペルソナを作成するにあたって最も時間をかけたいのが情報収集です。一部はインターネットでのリサーチのみでも良いですが、リアルな顧客心理を把握するためには、インタビューやアンケートを実施するのが最も確実です。ペルソナ構成要素の情報収集は以下の方法で実施すると良いでしょう。

  • 既存顧客へのインタビュー/アンケート
  • 顧客と直接接する営業、接客担当者などへのヒアリング
  • 官公庁、民間調査会社が発表している各種統計データの調査
  • 自社サイトのアクセス分析
  • Yahoo!知恵袋、QuoraなどのQAサイト
  • ソーシャルリスニング
  • ビザスクなどのプラットフォーム活用…など


収集した情報をデモグラフィック要素とサイコグラフィック要素に仕分けて、ペルソナを構成する要素を整理していきます。

ペルソナのアウトライン(骨子)作成

次にペルソナを構成する要素を整理して、骨組みを作成します。ここでのポイントは、参考モデル群の中から「共通点」を見出すことです。特異な特徴は目につきやすいですが、大多数に共通するポイントを持つモデルの方がその何倍も企業寄りの顧客像である可能性が高いため、ペルソナとして好ましいです。

ペルソナ例(BtoB)

ペルソナ例(BtoC)


アウトラインが完成したら、ペルソナを構成する各要素におかしな点がないか、客観視して調整します。この段階で可能な限りペルソナを研ぎ澄ませることで、後のストーリー展開の精度が格段に高まります。

ペルソナ構成要素のストーリー展開

ペルソナの骨組みが完成したら各構成要素の背景をストーリーとしてまとめて仕上げます。各要素を一覧にまとめるだけでは、ターゲットの輪郭が浮かび上がってきませんので、その背景をストーリーとして展開します。

ペルソナ完成例(BtoB)

ペルソナ完成例(BtoC)


完成したペルソナが仮想ではなく、実在する人物かの如く独自の価値観や思考が感じられるまで徹底的に見直しましょう。この後は、作成したペルソナがメディアのペルソナとして相応しいのかをフィードバックによって精査します。

完成したペルソナのフィードバック

作成したペルソナは必ずフィードバックを行いましょう。社内で顧客を最も知っている営業担当者・接客担当者・カスタマーサポートに協力を仰ぎ、作成したペルソナがメディアのターゲットになり得るのかを判断してもらいます。

また、作成したペルソナに近しい顧客が実在するのかを、インタビュー/アンケート結果を再度見直してチェックするのも良いでしょう。

フィードバックの結果、ペルソナの完成度が低いと判断された場合は、作成前の情報収集が不十分である可能性が非常に高いため、情報収集フローの見直しやインタビュー/アンケート時の質問事項の見直しを行い、質の高い情報を仕入れるようにしてください。

BtoBオウンドメディアのペルソナ作成ポイント

BtoBでオウンドメディアを運営する目的は、新規リードの獲得・獲得したリードのナーチャリングであることが殆どです。BtoB商材は高額で検討期間も長期化する傾向がありますので、購買プロセスの最後は営業担当のクロージングによって成立します。

また、BtoBは顧客対象が法人かつ購買関与者も多層複数のため、「社内の立場」をペルソナに反映しなければなりません。可能であれば意思決定権を持つ役員・事業部長クラスと意思決定権を持たない現場担当者の2パターンは作成した方が良いでしょう。

BtoBオウンドメディアのペルソナを構成する主な要素は以下の通りです。

  • 性別
  • 年齢
  • 役職
  • 意思決定権の有無
  • 職種
  • 思い描くキャリア
  • 企業の業態
  • 企業規模
  • 抱えている課題
  • 情報収集手段
  • 製品(商品)やサービスの選び方
  • 自社のサービス/製品(商品)に興味を持つ動機と心理
  • 自社に望むこと


最低でもこれらの情報を準備してペルソナ作成に取り組むようにしてください。

BtoCオウンドメディアのペルソナ作成ポイント

BtoC企業がオウンドメディアを運営する場合、ブランド認知・顧客エンゲージメント/ロイヤルティー向上が主な目的であることが多く、BtoBのようにコンバージョンの概念がないメディアも数多く存在します。

BtoC商材はBtoB商材と比較すると安価で検討期間も短い傾向があります。BtoBとBtoCの違いについては以下の記事で詳しくまとめていますので、併せてご覧ください。

▼関連記事
BtoB企業がデジタルマーケティングを始める際の本当に大切な4つのこと


また、BtoCは顧客対象が個人で購買関与者=購買者(利用者)であることから、BtoBと比較すると、よりパーソナライズされたペルソナが求められます。ここまでを踏まえて、BtoCオウンドメディアのペルソナを構成する主な要素は以下の通りです。

  • 性別
  • 年齢
  • 家族構成
  • 年収
  • 職種
  • 勤務地/居住地
  • 趣味/興味トピック
  • ライフスタイル
  • 情報収集手段
  • よく閲覧するWebサイト
  • よく利用するSNS
  • 愛読書(雑誌含む)
  • 趣味趣向に充てる費用
  • 抱えている悩みやストレス


最低でもこれらの情報を準備してペルソナ作成に取り組むようにしてください。

ペルソナ作成の注意点

理想像で作成しない

ペルソナに関して最も陥りがちな失敗例が理想像でペルソナを作成してしまうことです。この場合、完成したペルソナは自社のサービス/製品(商品)に対して最初から興味を持ち、購買プロセスが簡略化されている可能性が非常に高いです。これでは正しいターゲット設計とは言えません。

日本中の誰もが知るサービス/製品(商品)やブランドを扱っているのであれば、上記のような顧客も存在するかもしれませんが、ペルソナ作成最大の目的は「顧客理解を深める」ことで、自社や自社のサービス/製品(商品)を全く知らない人を顧客化するために活用します。

そのためには情報収集段階で、自社や自社のサービス/製品(商品)に批判的な意見も収集し、リアルな顧客の心理を少しでも深く理解する取り組みが必要です。

作成したペルソナを定期的に見直す

これもよく耳にする例ですが、運用初期に作成したペルソナを何年もそのまま設定しているケースです。運用が順調なメディアであれば、時間とともにメディアの規模も拡大し、ユーザー数も運用初期と比較すると増えているはずです。

また、外部要因(市場や競合など)によってユーザーは変わりますので、作成したペルソナは必ず風化するものだと認識しておいた方が良いでしょう。見直しの周期は企業によって異なると思いますが、最低でも1年に1回は見直すことをおすすめします。

さいごに

初めてペルソナ作成に取り組む方は、難しく感じてしまうかもしれません。そんな時は本記事を参考にしていただき、まずは進めてみてください。最初から完璧なペルソナは誰も作れませんので、作成したペルソナが不完全であれば随時見直してアップデートすれば良いだけです。

ペルソナは顧客理解を深めるために活用し、メディアやコンテンツ制作の軸となります。人の心理を100%理解することは難しいですが、顧客に寄り添う姿勢こそが、発信する情報の価値やメディアのコンセプトへ反映されて、読者やファンが増えて事業に貢献するメディアへと成長できるでしょう。

オウンドメディアのペルソナ作成や運用全体でお悩みの企業ご担当者様は、私たちへお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

ルネイム編集部

マーケティング担当者の方へ向けてマーケティングに関する様々なお役立ち情報を発信しています。